経営事項審査の評点アップのポイント
経営事項審査は、企業力を評価するものですので、短期的な評点アップ対策だけではなく、中・長期的な視点で財務体質強化や人材育成の取り組みをすることが、結果として評点アップにつながっていきます。
経営状況分析(Y) の指標
経営状況分析は、登録経営状況分析機関が建設業者の経営状態を決算書から分析するものです。
経営状況分析各指標のY評点への影響度(寄与度)には差があり、「負債抵抗力指標」と「収益性・効率性指標」とで全体の70%近くを占め、そのうち純支払利息比率が29.9%、総資本売上総利益率が21.4%となっており、支払利息を減らし、売上総利益(粗利益)を増やす対策が評点アップに大きく貢献します。
1.負債抵抗力指標
指標 (Y評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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x1 | 純支払利息比率 (29.9%) | x1=(支払利息-受取利息配当金)÷売上高 (少数点以下3位未満の端数は四捨五入)×100 (当該数値がマイナス0.3に満たない場合はマイナス0.3と、5.1を超える場合は5.1とみなす) 売上高は基準決算における完成工事高及び兼業事業売上高の合計の額 (上限値△0.3%・下限値5.1%) | ・売上高に対して、実質的な利息負担額がどの程度あるかを表す指標で、低いほど健全であるとされます。 マイナスは、支払利息より受取利息配当金の方が多い状態。 ・実質的な利息負担額減少対策 ①借入金の返済 遊休資産や有価証券の売却、過大な棚卸資産の在庫調整などをして得られた資金を借入金の返済に充当します。 ②増資による資金調達 増資によって得られた資金を借入金の返済に充当します。 ③公的資金の導入 低利の公的資金を導入し支払利息の総額を減らします。 また、これらの対策により借入金の減少は負債回転期間指標(x2)の評価をアップし、固定資産の減少は総資本売上総利益率指標(x3)や財務健全性指標(x5・x6)の評価をアップします。 |
x2 | 負債回転期間 (11.4%) | x2=負債合計÷(売上高÷12) (少数点以下3位未満の端数は四捨五入) (当該数値が0.9に満たない場合は0.9と、18.0を超える場合は18.0とみなす) 負債合計は基準決算における流動負債及び固定負債の合計の額 1ヶ月当たりの売上高は(x1)の売上高の額を12で除したもの(月商) (上限値0.9ヶ月・下限値18.0ヶ月) | ・月商に対して、負債総額が何ヶ月分になるかを表す指標で、低いほど負債の支払い能力があるとされます。 対策としては、売上高を伸ばすか負債を減らすかの方法がありますが、売上高を急に大きく伸ばすことは不可能ですので、負債を減らす対策が必要になります。 ①固定資産売却等による資金調達 遊休資産や有価証券の売却、過大な棚卸資産の在庫調整などをして得られた資金を負債の支払いに充当します。 ②増資による資金調達 増資によって得られた資金を負債の支払いに充当します。 また、代表者個人からの借入金を有している場合に、実際に資金を動かすことなく、この借入金を増資に振り替える方法があります。この増資によって負債が減少するとともに、自己資本の増加は、財務健全性指標(x5・x6)の評価をアップします。 |
2.収益性・効率性指標
指標 (Y評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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x3 | 総資本売上総利益率 (21.4%) | x3=売上総利益÷総資本(2期平均の額が3,000万円に満たない場合は、3,000万円とみなす) (少数点以下3位未満の端数は四捨五入)×100 (当該数値が63.6を超える場合は63.6と、6.5に満たない場合は6.5とみなす) 売上総利益の額は、基準決算における売上総利益の額(個人の場合は完成工事総利益の額) 総資本の額は、貸借対照表の負債純資産合計の額 2期平均は基準決算及び前基準決算における総資本の額の平均 (上限値63.6%・下限値6.5%) | ・総資本に対して、売上総利益(粗利益)がどの程度あるかを表す指標で、高いほど資本を効率よく運用しているとされます。 ・総資本の減少対策 ((x6)も同じ) ①固定資産売却等による資金調達 遊休資産や有価証券の売却、過大な棚卸資産の在庫調整などをして得られた資金を負債(借入金等)の支払いに充当します。 ・売上総利益の増加対策 ①適切な予算管理 予算に基づいて材料費・労務費・外注費・現場経費を支出するとともに、適正な売上総利益が得られるよう管理します。 ②工程管理の徹底 無駄な人員の投入や 手待ち工事を排除します。 |
x4 | 売上高経常利益率 (5.7%) | x4=経常利益÷売上高 (少数点以下3位未満の端数は四捨五入)×100 (当該数値が5.1を超える場合は5.1と、マイナス8.5に満たない場合はマイナス8.5とみなす) 経常利益の額は、基準決算における経常利益の額(個人の場合は事業主利益の額) 売上高は、(x1)の売上高の額に同じ (上限値5.1%・下限値△8.5%) | ・売上高(企業の経常的な活動において得られた収入)に対して、利益がどの程度あるかを表す指標で、高いほど効率的に利益を上げているとされます。 ①原価管理の徹底 発注者からの無理な値引きに応じない。明らかに赤字が見込まれる場合は受注しない。 ②適切な予算管理 予算に基づいて材料費・労務費・外注費などの支出をコントロールします。 ③工程管理の徹底 無駄な人員の投入や 手待ち工事を排除します。 ④借入金の返済 営業外費用の大部分は借入金ですので、この減額には、(x1)の対策が必要です。 |
3.財務健全性指標
指標 (Y評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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x5 | 自己資本対固定資産比率 (6.8%) | x5=自己資本÷固定資産(自己資本の額が0円に満たない場合は、0円とみなす) (少数点以下3位未満の端数は四捨五入)×100 (当該数値が350.0を超える場合は350.0と、マイナス76.5に満たない場合はマイナス76.5とみなす) 自己資本の額 (基準決算における純資産合計額=(資産-負債)) ((x6)も同じ) (上限値350.0%・下限値△76.5%) | ・固定資産と自己資本の対応関係を表す指標で、高いほど固定資産の取得資金が自己資本で調達されることになり、財務体質が健全であるとされます。 ・自己資本の充実対策 ((x6)も同じ) ①増資 可能な限り増資をして資本金を増やすか、代表者個人からの借入金を有している場合に、実際に資金を動かすことなく、この借入金を増資に振り替える方法があります。 ②利益剰余金の蓄積 純利益を継続的に繰越利益剰余金として積み増しします。 ・固定資産減少対策 遊休資産や有価証券など固定資産を売却し、財務体質をスリム化します。 |
x6 | 自己資本比率 (14.6%) | x6=自己資本÷総資本(自己資本の額が0円に満たない場合は、0円とみなす) (少数点以下3位未満の端数は四捨五入)×100 (当該数値が68.5を超える場合は68.5と、マイナス68.6に満たない場合はマイナス68.6とみなす) 総資本の額は、基準決算における負債純資産合計の額 (上限値68.5%・下限値△68.6%) | ・総資本に対する自己資本の占める割合を表す指標で、高いほど財務体質が健全であるとされます。 ・自己資本の充実対策 ((x5)に同じ) ①増資 ②利益剰余金の蓄積 ・総資本の減少対策 ((x3)に同じ) 固定資産売却等による資金調達 |
4.絶対的力量指標
指標 (Y評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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x7 | 営業キャッシュ・フロー(絶対額) (5.7%) | x7=営業キャッシュ・フロー÷1億 (2期平均) 営業キャッシュ・フロー =経常利益+減価償却費±貸倒引当金増減額 -法人税・住民税及び事業税 ±売掛債権(受取手形+完成工事未収入金)増減額 ±仕入債務(支払手形+工事未払金)増減額 ±棚卸資産(未成工事支出金+材料貯蔵品)増減額±未成工事受入金増減額 上記計算式で「基準決算額と前期基準決算額」及び「前期基準決算額と前々期基準決算額」それぞれの営業キャッシュ・フローの額を求めてから2期平均します。(小数点以下3位未満の端数は四捨五入) 【プラスの評価】 ・貸倒引当金の増加額 ・売掛債権の減少額 ・仕入債務の増加額 ・棚卸資産の減少額 ・未成工事受入金の増加額 【マイナスの評価】 ・貸倒引当金の減少額 ・売掛債権の増加額 ・仕入債務の減少額 ・棚卸資産の増加額 ・未成工事受入金の減少額 (上限値15.0億円・下限値△10.0億円) | ・営業活動により獲得したキャッシュの増減を表す指標で、大きいほど資金収支が健全であるとされます。 ①経常利益の増加 経常利益が増加することは、それだけ利益が獲得され資金の増加要因になります。 ②減価償却費・貸倒引当金の増加 いずれも現金支出を伴わない費用のため、増加することはそれだけ資金がプールされたことになります。 ただし、経常利益が減少することになるので、相対的な検討が必要です。 ③資産(売掛債権・棚卸資産)の減少 資産が減少することは、それだけ資金がプールされたことになります。 ④負債(仕入債務・未成工事受入金)の増加 仕入債務が増加することは、それだけ支払い資金がプールされていることになります。 また、未成工事受入金が増加することは、工事代金を前受けしていることになり、それだけ資金の増加要因になります。 |
x8 | 利益剰余金(絶対額) (4.4%) | x8=利益剰余金÷1億円 (少数点以下3位未満の端数は四捨五入) (当該数値が100.0を超える場合は100.0と、マイナス3.0に満たない場合はマイナス3.0とみなす) 利益剰余金の額は基準決算における利益剰余金合計の額(個人の場合は純資産合計の額) (上限値100.0億円・下限値△3.0億円) | ・企業がこれまで獲得してきた利益から、配当金等外部に流出した後に残った内部留保金を表す指標で、大きいほど評点が高くなります。 利益剰余金は長期的な蓄積でしか増加しませんので、経営状況評点アップの取り組みを通じて、継続的な経営改善を行うことが重要です。 |
5.経営状況の評点(Y)
経営状況点数(A) | A=-0.4650×(x1)-0.0508×(x2)+0.0264×(x3)+0.0277×(x4) +0.0011×(x5)+0.0089×(x6)+0.0818×(x7)+0.0172×(x8)+0.1906 (少数点以下2位未満の端数は四捨五入) |
経営状況評点(Y) | Y=167.3×経営状況点数(A)+583 (少数点以下の端数は四捨五入) (最高点1,595点、最低点0点) |
経営規模等評価の指標
経営規模等評価は、大臣許可であれば本店所在地を管轄する都道府県を経由して国(国土交通社地方整備局)が、知事許可であれば本店所在地を管轄する都道府県が審査を実施します。
1.経営規模(X)指標
指標 (P評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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X1 | 完成工事高 (25%) | 経審を受ける業種ごとに直前2年又は直前3年の平均完成工事高を選択し、評点テーブルに当てはめて計算します。(小数点以下の端数は切り捨て) なお、この選択は、経審を受けるすべての業種において同一の方法によらなければならず、「直前2年」と「直前3年」を混在させることはできません。また、元請完成工事高(Z2)で選択する方法も同じでなければなりません。 (評点幅2,309~397) | ・完成工事高によって建設業者の規模を評価します。 ①利益率に重点を置いた優良な工事の受注 工事を受注することにより完成工事高が増え評点はアップしますが、適正な利益が見込める工事を受注しないと、経営状況評価や利益額の評価がダウンします。 ②工事進行基準の採用 工事進行基準を採用することにより、期末未成工事であっても工事の出来高に応じて完成工事高に計上することができます。 ③完成工事高の積上計算 経審を受ける業種の完成工事高に、関連する経審を受けない業種の完成工事高を合算することができます。 積上計算できる業種はこちら |
X2 | 自己資本額及び利益額 (15%) | X2=(X21+X22)÷2(小数点以下の端数は切り捨て) (評点幅2,280~454) 自己資本額(X21) 自己資本額(貸借対照表の純資産合計額=(資産-負債))は、基準決算額又は前期基準決算額との平均から選択し、評点テーブルに当てはめて計算(自己資本額が0円に満たない場合は、0円とみなす)します。(小数点以下の端数は切り捨て) (評点幅2,114~361) 平均利益額(X22) 平均利益額は、利払前税引前償却前利益(損益計算書の営業利益+減価償却費)といい、常に基準決算額と前期基準決算額との2期平均の額を使用し、評点テーブルに当てはめて計算(平均利益額が0円に満たない場合は、0円とみなす)します。(小数点以下の端数は切り捨て) (評点幅2,447~547) | ①毎年利益を計上し自己資本を拡大 自己資本(≑資本金+繰越利益剰余金)のうち、資本金は短期的には増資することができますが、繰越利益剰余金は長年の営業成果の蓄積ですので、評点アップには中・長期的な経営戦略が必要となります。 ②設備投資による減価償却実施 営業利益が同じならば建設機材などの設備投資をして減価償却費が大きくなれば評点がアップしますので、中・長期的な視点で適切な設備投資を心がけることが必要です。 |
2.技術力(Z)指標
指標 (P評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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Z | 技術力(技術職員数及び元請完成工事高) (25%) | Z=Z1×0.8+Z2×0.2(小数点以下の端数は切り捨て) (評点幅2,441~456) 技術職員数(Z1) 経審を受ける業種ごとに「技術職員数値」を求め、評点テーブルに当てはめて計算します。(小数点以下の端数は切り捨て) 技術職員数値=1級監理受講者数×6+1級技術者数×5+基幹技術者数×3+2級技術者数×2+その他技術者数×1 なお、技術職員の加点対象は、「技術者区分一覧表」に記載されている資格で、1人の職員につき2業種までです。 (上限値2,335・下限値510) 元請完成工事高(Z2) 経審を受ける業種ごとに直前2年又は直前3年の平均元請完成工事高を選択し、評点テーブルに当てはめて計算します。(小数点以下の端数は切り捨て) なお、完成工事高(X1)で選択する方法と同じでなければなりません。 (評点幅2,865~241) | ・技術力の評価では、技術職員数に加え、元請完成工事高によって元請としてのマネジメント能力を評価しています。 ・技術職員数を増やせば評点はアップしますが、収益性を無視して増員したりすると、人件費が収益を圧迫し、結果として総合評定値のアップに貢献しないことになります。 ・元請完成工事高についても、短期的に元請工事を増やすことは不可能ですので、中・長期的な視点で社員育成や下請体質からの脱却を図っていく必要があります。 ①上位資格取得を社をあげて奨励 経審を受ける業種の評点アップにつながる検定試験を奨励するため、学習資金の援助や資格取得者には報奨金を出すなど社員のやる気を引き出す取り組みが必要です。 (上位資格取得) 実務経験者→2級資格者・基幹技能者講習受講、2級資格者→1級資格者・基幹技能者講習受講、1級資格者→監理技能者講習受講 ○各種資格取得に関する問い合わせ先こちら また、これらの取り組みは、技術力の向上にもつながっていくものと思われます。 ②下請体質からの脱却 経審を受ける主たる目的は公共工事の元請になることです。そのためには元請工事が受注できる技術力(「自社の強み」)と、社内体制作りが必要です。 |
3.社会性等(W)指標
指標 (P評点寄与度) | 算出式等 | 評点アップ対策 | |
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W | 社会性等 (15%) | W=(W1+W2+W3+W4+W5+W6+W7+W8+W9)×10×190÷200 ウエイト調整により評点を圧縮(小数点以下の端数は切り捨て) (評点が0に満たない場合は、0とみなす) (評点幅1,919~0) | |
W1 | 労働福祉の状況 | W1=(A×15-B×40) AはW14、W15、W16のうち加入又は導入しているとされたものの数 BはW11、W12、W13のうち未加入とされたものの数 (評点幅45~△120) 雇用保険加入の有無(W11) 雇用保険法に基づき、労働者を1人でも雇用している事業主(法人・個人)に加入義務があります(個人事業主等で、社会保険の適用除外となる場合を除く)。 未加入はマイナス40点 (評点幅0・△40) 健康保険加入の有無(W12) 健康保険法に基づき、株式会社・有限会社などの法人と常時使用する従業員が5人以上の個人事業主に加入義務があります。(健康保険組合による健康保険・職域別の国民健康保険のいずれかの場合は適用除外) 未加入はマイナス40点 (評点幅0・△40) 厚生年金保険加入の有無(W13) 厚生年金保険法に基づき、株式会社・有限会社などの法人と常時使用する従業員が5人以上の個人事業主に加入義務があります。 未加入はマイナス40点 (評点幅0・△40) 建設業退職金共済制度加入の有無(W14) 建設業の現場で働く日雇労働者を対象とする退職金制度で、独立行政法人勤労者退職金共済機構との間で、退職金共済契約を締結します。(建設業退職金共済事業本部こちら) 加入はプラス15点 (評点幅15・0) 退職一時金又は企業年金制度導入の有無(W15) ・退職一時金制度 ①会社独自の退職金制度(労働協約・就業規則等) ②中小企業退職金共済制度(中小企業退職金共済事業本部こちら) ③特定退職金共済制度 ・企業年金制度 ①厚生年金基金 ②適格退職年金 ③確定給付年金(規約型・基金型) ④確定拠出年金(企業型) いずれかの導入はプラス15点 (評点幅15・0) 法定外労働災害補償制度加入の有無(W16) 政府の労災保険制度の上乗せ給付を目的として契約 ①(公財)建設業福祉共済団(こちら) ②(一社)全国建設業労災互助会(こちら) ③全日本火災共済協同組合連合会(こちら) ④(一社)全国労働保険事務組合連合会(こちら) ⑤建設業者団体 ⑥保険会社 いずれかの加入(要件あり)はプラス15点 (評点幅15・0) | 労働福祉の状況では、従業員を雇用している者が当然加入しなくてはならない社会保険(雇用保険・健康保険・厚生年金保険)に未加入の場合は大きな減点になり、W評点全体に影響を及ぼします。 ・社会保険加入は必須 ・その他の加点項目についても、労働福祉の充実の観点から、経営を圧迫しない範囲で加入することをお勧めします。 |
W2 | 建設業の営業継続状況 | ①営業年数 建設業許可又は登録を受けて営業を行っていた年数(1年未満の端数は切り捨て)を評点テーブルに当てはめて求めます。(営業休止期間は営業年数から控除) (評点幅60~0) ②民事再生法又は会社更生法の適用の有無 再生(更正)期間中はマイナス60点 (評点幅0・△60) | |
W3 | 防災活動への貢献の状況 | 国、特殊法人等又は地方公共団体と防災協定を締結している場合に20点として求めます。 (防災協定の相手方として加点の対象となる公共機関:経営事項審査申請要領(H30.4改訂版P87)) (評点幅20~0) | ・防災協定の締結 会社単独での防災協定締結が困難な場合、防災協定を締結している建設業者団体に加入する方法があります。 |
W4 | 法令遵守の状況 | 審査対象年に建設業法第28条の規定により指示され、又は営業の全部若しくは一部の停止を命ぜられたことがある場合に、評点テーブルに基づき求めます。 ①指示処分はマイナス15点 ②営業の全部若しくは一部の停止命令はマイナス30 (評点幅0~△30) | 経審の虚偽申請の罰則は重いものですので、故意の虚偽申請は絶対に行ってはなりません。 参考:建設業法上の罰則こちら |
W5 | 建設業の経理の状況 | W5=W51+W52 (評点幅30~0) 監査の受審状況(W51) ①会計監査人の設置 プラス20点 ②会計参与の設置 プラス10点 ③経理処理の適正を確認した旨の書類の提出 プラス2点 (評点幅20~0) 公認会計士等の数(W52) 「公認会計士等数値」を算出し、評点テーブルに当てはめて求めます。 公認会計士等数値=公認会計士等の数(登録経理士試験1級合格者を含む)×1+登録経理士試験2級合格者の数×0.4 (評点幅10~0) | 監査の受審状況で加点を受けたにもかかわらず、後日虚偽申請が発覚した場合は、通常より重い処分が下されます。 ①会計監査人又は会計参与設置会社とする 会計の専門家による客観的な評価を受けることになりますので、財務諸表の信用度、ひいては会社自体の信用度やイメージが大きく向上します。 また、会計監査人設置会社は、研究開発費を支出すれば、次の研究開発費の状況でも加点対象となります。 ②建設業経理士の養成 経理部門の役職員に技術者と同じように上位資格(建設業経理士1・2級)を目指せるような社内体制を作っていく必要があります。 ③自主監査の実施 1級建設業経理士以上の資格保有者がいる場合は、必ず自主監査を実施します。 |
W6 | 研究開発の状況 | 会計監査人設置会社において、会計監査人が「無限定適正意見」又は「限定付適正意見」を表明している場合に限ります。 研究開発費(2期平均)を評点テーブルに当てはめて求めます。 (評点幅25~0) | |
W7 | 技術力(技術職員数及び元請完成工建設機械の保有状況 | 建設機械(ショベル系掘削機・ブルドーザー・トラクターショベル・モーターグレーダー・大型ダンプ車・移動式クレーン)の所有及びリース台数を評点テーブルに当てはめて求めます。 (評点幅15~0) | 多額の固定費が発生しますので、継続的に稼働できる需要が見込めるかどうか検討を行った上で導入します。 |
W8 | 国際標準化機構が定めた規格による登録の状況 | ①ISO9001(品質管理)及び②ISO14001(環境管理)の取得状況を評点テーブルに当てはめて求めます。 ①ISO9001 の登録の有無 (評点幅5~0) ②ISO14001 の登録の有無 (評点幅5~0) | |
W9 | 若年の技術者及び技能労働者の育成及び確保の状況 | ①満35歳未満の技術職員が15%以上いる場合又は②満35歳未満の技術職員が審査対象年度に1%以上新たに加わった場合について評点テーブルに当てはめて求めます。 ①I若年技術職員の継続的な育成及び確保の状況 (評点幅1~0) ②新規若年技術職員の育成及び確保の状況 (評点幅1~0) |
総合評定値(P点)算出例
項目 | 土木工事業評点 | 建築工事業評点 | 備考 |
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X1 | 850 | 1,050 | |
X2 | 850 | 850 | 全業種共通 |
Y | 800 | 800 | 全業種共通 |
Z | 900 | 1,100 | |
W | 950 | 950 | 全業種共通 |
P | P=0.25(X1)+0.15(X2)+0.2(Y)+0.25(Z)+0.15(W) | 「総合評定値(P点)」(業種別)は、「経営状況の評点」と「経営規模等の各評点」に一定のウエイトをかけて算出します。(少数定以下の端数がある場合は四捨五入) | |
P=0.25×850+0.15×850+0.2×800 +0.25×900+0.15×950 | P=0.25×1,050+0.15×850+0.2×800 +0.25×1,100+0.15×950 |
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868 | 968 |