「許可の区分」には、国土交通大臣許可と都道府県知事許可一般建設業許可と特定建設業許可があります。

建設業許可を申請する場合、大臣許可・知事許可のいずれかを、また、1つの業種について一般建設業許可・特定建設業許可のいずれかを選択しなければなりません。
 (法第3条、法第15条)

国土交通大臣許可と都道府県知事許可

2つ以上の都道府県に営業所を設けて営業する場合は、「国土交通大臣許可」を、1つの都道府県に営業所を設けて営業する場合は、「都道府県知事許可」を受ける必要があります。

例えば、福島県と宮城県に営業所がある場合は大臣許可となります。複数の営業所でも福島県内にある場合には、知事許可となります。

この許可の区分は営業所の所在地のみでなされるものですので、福島県知事許可の会社が宮城県では建設工事ができないというわけではなく、全国どこでも可能です。

なお、ここでいう営業所とは請負契約の見積り、入札、契約手続きなど実体的な業務を行っている事務所をいい、次の要件を備えていなければなりません。

1.営業所の代表者が、令第3条の使用人として、契約締結などの権限を委任され常勤していること。
2.電話・机・各種事務台帳等を備え、居住部分等とは明確に区分された事務室等があること。
3.営業所で営業する許可業種に対応する専任技術者が常勤していること。

したがって、登記上の本店や単なる作業場・連絡所・工事事務所などは建設業法上の営業所に該当しません。

特定建設業許可と一般建設業許可

特定建設業と一般建設業との許可の区分は、元請けとして工事を請け負った場合の一次下請けに出す代金の総額(消費税を含む)によって決まります。(令第2条)

特定建設業許可1件の工事につき、一次下請けに出す代金の総額が4,000万円(建築一式工事については6,000万円)以上の場合に、許可が必要になります。

上記以外は軽微な工事だけを行う場合を除いて、元請け・下請けを問わず「一般建設業許可」を取得する必要があります。

なお、同一の業種について両方の許可を取得することはできませんが、異なる業種であれば同時に取得することができます。
(例:建築工事業は「特定建設業許可」、内装仕上工事業は「一般建設業許可」を取得)

元請け・下請けの事例・ A社が住宅建設工事を2億円で受注し、B社・C社に内装工事をそれぞれ4,000万円と1,000万円で一次下請けに出しました。
・ この場合A社は元請けとして総額5,000万円以上の工事を下請けに出しているので、特定建設業許可が必要になります。B社は下請けですので、請負金額は4,000万円以上ですが、一般建設業許可で足ります。
・ B社は更に下請けに出す場合でも特定建設業許可は必要ありません。なぜなら、元請けはあくまでもA社だからです。

また、特定建設業許可を取得していても、請け負った建設工事をそのまま一括して他社に請け負わせる契約は、あらかじめ発注者の書面による承諾を得た場合以外は禁止されています(法第22条)(公共工事については全面的に禁止)。いわゆる丸投げは認められません。

特定建設業許可は、発注者や下請の保護を目的としていますので、一般建設業許可に比べて許可の要件(「専任技術者」、「財産的基礎」)が厳しくなっていますが、さらに、『土木工事業、建築工事業、管工事業、鋼構造物工事業、舗装工事業、電気工事業、造園工事業』の7業種については指定建設業とされ、営業所ごとに配置する「専任技術者」及び工事現場ごとに配置する「監理技術者」1級など一定の国家資格の取得者でなければ認められません。

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